• 1
  ミライLyrics by 蒼山幸子
  Music by 三橋隆幸
  Arranged by 大野裕一
• 2
  READ MY LIPSLyrics by 藤林聖子
  Music by UTA, 為岡そのみ
  Produced, Arranged by UTA
• 3
  だってしょうがないじゃないLyricsby 川村真澄 Music by 馬飼野康二
  Produced & Arranged by 松浦晃久
  The original song by 和田アキ子
  ©1988 by HORIPRO INC.
• 4
  ミライ -Instrumental-

-15th ANNIVERSARY-
JUJU TOUR 2018 『 I 』
＠日本武道館
-1st selection-

• 1
  かわいそうだよね (with HITSUJI)～MC
• 2
  明日がくるなら
• 3
  東京
• 4
  あなたがくれたもの

• 『ミライ』

  誰もまだ知らない夢と　夜更かしした頃は
  見上げた空に　散らばる星も近く見えた
  
  歩道橋から　見下ろした街は今
  さみしげな光が　揺らめくけど
  
  小さな強がりでも　前を向ける魔法になる
  あなたに誇れるような　物語がまだ描けるなら
  泣いたり愛されたり生きてみるよ
  星のないこの街で
  一人じゃない　そう思えるから　歩いてゆける
  
  少しずつだって手繰ろう　この見えない糸を
  誰かの指に触れるような夜もあるから
  
  気まぐれだった運命でも　いつかは
  報われる出会いを用意してる
  
  小さな明かりをただ　灯すような気持ちだけで
  未来を探してゆく　笑われても笑っていられる
  いつしか描いていた夢と違う
  今を生きていたって
  悪くないわ
  夜風は優しい場所へ吹いてる
  
  かなしみの予感に　きっと負けないように
  思い出は出来てる　そっと煌きながら
  
  小さな強がりでも　前を向ける魔法になる
  あなたに誇れるような　物語がまだ描けるなら
  泣いたり愛されたり生きてみるよ
  星のないこの街で
  つながってる　この空の下に
  明日はあるの
  

• 蒼山幸子

  JUJUさんの新曲「ミライ」の作詞をさせて頂きました。
  ハケン占い師アタルという、夢見ることの険しさを知りながらそれでも前に進もうとする愛おしい人々を描いたドラマの主題歌です。
  作詞をさせて頂くことが決まってからは、ドラマのこと、そしてJUJUさんに似合う言葉を、といろいろなことを思いながら長期戦の作業をし、缶詰のクリスマスを送ったりしていましたが笑、自分にとっても本当に思い出深い、愛すべき作品になりました。
  そして何よりJUJUさんの温かく素敵な声にたくさんの言葉を引き出してもらい、幸せでした。
  日々戦いながら進んでいるすべての方々が一瞬でも憩えるような、そんな優しい歌であったら嬉しいなと思います。

• 歌詞エピソードは
  コチラ

• 1
  メトロ / JUJU×松尾 潔×小林武史※東京メトロ「Find my Tokyo.」
  CMタイアップソング
• 2
  Remember (The Good Times)※NHK総合「世界はほしいモノにあふれてる」オープニング曲
• 3
  かわいそうだよね　-solo version-

初回生産限定盤、通常盤共通

JUJU BIG BAND JAZZ LIVE
"So Delicious, So Good"
-original song selection-

• 1
  It's A Jazz Thing!!
• 2
  INFATUATION
• 3
  My Life
• 4
  A Woman Needs Jazz

【初回生産限定盤(CD＋DVD)】
AICL-3587～3588 / ¥2,000＋tax
【通常盤(CD)】
AICL-3589 / ¥1,280＋tax

• 小林武史

  歌詞が先にあって、あとで曲をつけるという、いわゆる“詞先”のやり方でできた曲です。
  少女と大人の女性の記憶や時間の移動間が、東京メトロのCMに相応しく、新しい感覚でもある。
  歌詞から、作曲～アレンジへと広げて、僕も小さな旅をするみたいに曲が出来上がっていきました。
  なによりJUJUの歌が凄いです。
  ジャンルやスタイルを軽く超えていくような表現が、この歌にはあると思っています。

• メトロポリスへのパスポート　松尾 潔

  　この春の1ヶ月、ある理由で東京メトロの定期券を使うことになった。定期券を買うのは学生のとき以来、実に20数年ぶり。もっとも、当時は乗降するたびに改札口の駅員さんに紙製の定期券を差し出すシステムだったけれど。
  久しぶりの定期券は、たくさんの街の変化に気づかせてくれた。それだけではない。すっかり色褪せた昔の記憶も呼び起こしてくれた。中学時代、はじめて定期券を手にしたときの、急に大人になったような恍惚感。これさえあればどこにでも行ける、という怖いものなしの自信。世界が広がるということは、世界なんて小さいと感じることでもある。
  そんな浮き足立った気分に確たる根拠なんてあるはずがない。同じ車両の隅っこからこちらを睨みつける不良高校生のまなざしは、中学生のぼくを一瞬で震えあがらせるに十分だった。きれいな大人の女性の豊かな胸元にしばし視線を奪われたあと、痩せっぽちの少年でしかない自分がみすぼらしく感じられて、憂鬱を抱えることもあった。
  それでも、一枚の定期券が見せてくれる新しい世界はすばらしかった。ぼくは途中下車をくり返し、それまで父親の車の後部座席から眺めるだけだった街の中へ足を踏み入れた。年端もいかぬ子どもは自分が愛読する絵本の登場人物になれると信じて疑わないものだが、中学生のぼくにもまだそんな気分は残っていた。マニアックなレコードショップで革ジャンのお兄さんたちにまじって聴くソウルミュージックは格別だったし、にぎやかな通りを曲がったら戦前の面影を残す街並みが突如あらわれて、思わず息を呑んだりもした。
  JUJUの新曲のタイトルに使った「メトロ」という言葉は、もちろん地下鉄を一義としている。「地下鉄の定期券」を「メトロのパス」と歌っている。だがフランス語や英語の「メトロ」の定義には高架鉄道も含まれ、語源をメトロポリタンやメトロポリスに求めることができるという。メトロポリスには国や都市圏の経済や文化の中心地という意味合いがあるけれど、大都市あるいは大都会というゆるやかな解釈で捉えてみてもあながち間違いではないだろう。
  つまり、「メトロのパス」は「メトロポリスへのパスポート」でもある。少年と少女はメトロのパスを手にすることで、大人の男女へと劇的な変態を遂げる。そのときに感じるときめきと痛みこそが、歳を重ねることの証ではないだろうか。
  「メトロ」を作るにあたっては、現在のポップスでは希少な「詞先」という手順をとった。まずぼくが、自分のハートビートと呼び得るR&Bのリズムで、ある程度のメロディーまで思い浮かべながら歌詞を書き、曲の構成を考えた。それを元に小林武史さんが作曲し、シンプルなトラックをバックに自らマイクに向かった。メロディーの方向性はぼくの予想を心地よく裏切っていたから、その時点で最初の化学反応が起こったといえるだろう。
  次にJUJU本人がぼくとボーカルプロデューサーの川口大輔さんと一緒にスタジオに入り、歌詞とメロディーを細かく検証しながら仮ボーカルを入れた。そこで録音したデモの説得力は大きなもので、このとき文字どおり曲は大化けしたのだと思う。やはり「うた」はシンガーのものであると痛感したぼくは、そのデモをふまえて歌詞にいくらかの変更や加筆を施すことにした。小林さんもまたJUJUのボーカルにつよく心を動かされたようで、新たなメロディーを加えながらアレンジを整えていった。
  レコーディング本番を迎えるまでに細かい工程を重ねた「メトロ」は、それだけでもう幸せな曲と呼ぶことができたかもしれない。だがJUJUはその幸せに溺れることなく、いたずらに背を向けるわけでもなく、ただ無心にボーカル表現の深みを追求した。その執着は凄まじかった。ぼくはもう10年以上彼女のプロデュースに関わっているけれど、ここまでのJUJUをはじめて見た。彼女自身の意向で「メトロ」のボーカルレコーディングに3日間費やしたことを明かしても、この曲の価値を下げはしないはずだ。
  ここでのJUJUは、少女と淑女、夢想と現実、情熱と諦観……あらゆる両極の間をたゆたう。そして、夢から覚めた夢のあとのやるせなさを細やかに歌いきることに余念がない。彼女の緻密にして力強いボーカル表現こそが、この曲の残照のごとき余韻を裏打ちしている。「メトロ」の女の子の未来にはきっと幸せが待っている、と。
  夢と同じ数だけもがき苦しんだ日々があったからこそ、現在のわたしがいる。
  JUJUにしか描けない「うた」の景色がそこにはある。