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JUJU's Closet

ヌメロなみなさまごきげんよう。ようやく寒さから解放されるのかと思ったらまたとても寒くなったりして、空のご機嫌に振り回されてる感が拭えない今日この頃。3月半ばの今日、とある事情で札幌にいる私は普通にマイナス2度+ほんの一瞬とはいえ牡丹雪で猛吹雪の世界に連れ戻されていて、春がますます遠くなってしまったような気がしております。そもそも冬は好きだから、まだまだ雪深いこの景色はとても素敵なのだけれど。

今回のJUJU’S CLOSET、テーマは「GET ARTY(モードとアートの融合)」。モードもアートも頭で考えたり字面だけを捉えるとなんだか難しいことのような気がします。でも実はモードもアートも頭で考えるよりもずっと身近なものかもしれないし、今季はアートが日常に溶け込んでいるくらいが良い感じらしい。というわけで今回は私の周りのアートなこと、についてのお話です。

私は仕事柄もあってアートに触れる機会は多かったりします。昨年末に出させていただいた「GIFT」では吉岡徳仁さんの作品の前で撮影させていただいたりして、そもそも美術館が好きな私にとって閉館後の美術館での撮影はそれはもうウットリ体験でした。ニューヨークに住んでいる時も、少し日々の生活に疲れたりすると現実逃避のためにいろんな美術館に行ったりしていたし、現実から非現実に簡単に移れてしまう美術館という特別な場所は私にとって心の拠り所であったりもして、古典アートも現代アートもどちらにも触れやすいニューヨークはとても便利で素敵な場所でした。さらにアートとニューヨークのお話をするならば、忘れちゃいけないのが私が8年間身を置いていた洋服屋を取り巻く人たちのこと。ニューヨークはそもそもアーティストの坩堝みたいな場所で、自分がアーティストだって言ったもん勝ち的なところがあったりします(言ってるだけの人たちがほとんどだったりもする)。ともあれその洋服屋のオーナー/デザイナーもそもそも絵を描く人で、彼の周りにはとにかくアーティストが多くてペインターもいればフォトグラファーもいるし、ストリートアートの世界では知らない人はいないレジェンドみたいな人たちもたくさんいました。彼らはもちろん大人と呼ばれる年齢ではあるけれど、みんな非常に自由で良い意味でわがままで、とてもじゃないけど一筋縄じゃいかない感じでアートのことになるととても手厳しかったりしてでも話すととても優しかったりして、彼らがオーナーのスタジオにいる時はもちろんのこと、ふらりとお店に現れては何気ない会話をしてくれるのとかとても好きな時間だったなぁ。新しい作品のエキシビションがあれば必ず足を運んだし、初日のレセプションは何よりも楽しかった。見た目じゃなく中身的に非常に尖ったオトナたちがお酒を片手に作品についてかもしれないしその他の雑多なこと、もしくはとても下世話な話に興じているのをこっそりみているのは至福のときでした。彼らに憧れてギャラリーにやって来る若くてこちらは見た目も尖った人たちを見るのも楽しかったし。本人達に自覚があるかどうかはさておいて、私からみると存在がアート!な人たちが大人げない話をしているのを端で聞いているのが大好きだったなぁー。さて今季のトレンドのひとつである「GET ARTY」。本当に日常にアートが溢れていたあの頃の彼らのように存在がアートみたくなるには道は遠いかもしれないけれど、一番身近なアートピースであるお洋服の力を借りてARTYを気取ってみるのはきっと手っ取り早くてウキウキすること間違いなし。一歩踏み出せばこの春夏はきっと楽しくなる気がしている吹雪の夜。さぁお買い物お買い物!!

つづく

Photo:Yusuke Miyazaki at Sept / Styling:Yoshiko Kishimoto
Hair&Make-up:Yoshie Sasaki at Sylph

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