ヌメロなみなさまごきげんよう。一日一日と秋も深まりつつある今日この頃、いかがお過ごしでしょうか? 私はというと夏らしいことをひとっっつもしないうちにとっとと夏が終わってしまい…とか言いながら夏恒例のBLUE NOTE TOKYOでのライヴでは、JUJU10周年記念ということで、ニューヨークから昔馴染みである黒田くん率いるTAKUYA KURODA QUINTETを招いてスペシャルな5日間を過ごしてフクフクしていたり、何よりもBLUE NOTE TOKYOの超絶美味な賄いご飯に日々悶絶していたし、お台場での某野外ライヴも非常に楽しかったから、きっと私なりに夏を満喫して良い感じに夏に決別して今に至っています、と言った方が良いに違いありません。
さて、久しぶりのJUJU’S CLOSET。今回のテーマは「SWINGING LONDON」らしい。60年代のロンドンに行ったこともないどころかロンドンには生きてきて一度も行ったことがない私。ニューヨークには長くいたのにロンドンはないのです。とは言えイギリスと全く関わっていないかというとそうでもなくて、初めて英語を習った先生の母校がオックスフォードだったせいで私が人生最初に志した大学はオックスフォードだったし、初めて買ったCDはロンドンの人たちのものだったし、初めて夢中になったアイドルもロンドンの双子だったし、初めて喉から手が出るほど欲しくて憧れたお洋服のブランドもロンドンのものだった。アメリカの音楽よりもイギリスの音楽を聴いている方が多い時期もたくさんあったから、私の中でのロンドンへの憧れはとても強かったはずなのに今まで一度も行ったことがないなんて。絶対ロンドン行く!なんて思っていたこともあったのに、結局日本から旅立つ時にはイギリスとは全く逆方向に向かってしまったのだから人生不思議なものです。
そんな前フリはさておき今回の「SWINGING LONDON」。撮影で着させていただいたり、先日田中杏子編集長からお話を伺った時にご紹介いただいたりしたお洋服達は、私にとってとても懐かしいものでした。というのも私の周りの大人達が着道楽だった話は前にもしましたが、その大人達が昔着ていたであろうお洋服達をたくさん無造作に置いてある部屋の中で、ちびJUJUから少し成長した思春期JUJUが見つけては着てウキウキしていたアイテム達がまさに60年代。母や叔母が若い頃にブイブイ言わせていた(!!)であろう頃に着ていたお洋服はとても可愛くて、たくさんの段ボール箱に眠っていたものを掘り起こして好きなものを見つけてはキャーキャー言ったりして、まるで宝探しのようだったなぁ。あの頃の私はきっと今よりもお洒落をすることに心を砕いていたし、誰も身につけていないものを身に付けたい欲みたいなのがとても強かった。若さゆえの愛すべきイキガリだったかもだけど、今の私にはもう少しあの頃の欲が必要な気がするなぁ。守りに入ってるわけでもないしお洋服は相変わらず好きなのに、忙しさだったりいろんなことを言い訳にお洒落をすることから遠ざかってからはや何年。お買い物をしてもきちんとお洋服と向き合わない生活とそろそろお別れかしら。せっかくお洒落が楽しい季節も始まるし…。「SWINGING LONDON」を皮切りに私もSWINGINGな自分を取り戻す決意を固めた初秋。さ、クローゼットの整理しようっと。
つづく
Photo:Yusuke Miyazaki at Sept / Styling:Aika Kiyohara
Hair&Make-up:Yoshie Sasaki at Sylph